作品情報
作品タイトル | 朝霧檀の催恋香実験〜あやしい白衣のお姉さんに捕まって気が狂いそうなほど焦らされてから搾り取られる話〜 |
作者 | 小夜夏ロニ子 |
イラスト | 牛タン定食への恋 |
発売日 | 2021年08月06日 |
文字数 | 51000字 |
ページ数 | 160 |
販売情報
作品内容
全裸で監禁され、襲いかかる乳首責め・筆責め…。
「今から君にはこの香りを嗅いでもらいます」
彼女が取り出した香水は——惚れ薬。
「全身に塗っていくね」
襲いかかる執拗な筆責め・乳首責めの快楽と意味深な問いかけに、いつしか脳が麻痺していく…。
「私のこと、好き?」
調香師・朝霧檀の快楽責めと言葉責めに、”好きになってしまったらおしまい”…。
こんなのが好きな人におすすめ
- けのわからない女に気持ち良くされてしまう
- わけのわからない女のことを好きにさせられてしまう
- 拘束されて筆責めされてしまう
- どこか恐ろしい女の優しい快楽責めに「勝てない」と思わされる
- わけのわからない女だけど裏に好意を感じる
- 最後まで女性上位、逆転なし
- 乳首責め描写がたっぷり
- 罵倒無しで快楽を餌に精神的に堕とされる
書き下ろし続編 あらすじ
いつものように唐突な檀さんの提案で、一緒に海に行くことになった。
彼女との“宝探し”の結果、始まったのは…
ごほうびリゾートビキニエステ!?
※この作品はハッピーエンドのイチャラブです。
主なプレイ内容
- 乳首責め
- 筆責め
- 言葉責め
- 寸止め手コキ
- 乳首責め騎乗位
- 女性上位
- 女攻め乳首責め
- 男性受け
- 逆転なし
- 罵倒なし
朝霧檀(あさぎり まゆみ)
香りの研究をする調香師。
会社帰りの主人公を拉致・監禁し、”惚れ薬”の実験に付き合わせる。
その材料は彼女のつくる香水と、”男女の体液”だった……。
全裸で拘束された青年を彼女の筆責め、乳首責め、手コキが襲う。
「私のこと、好き?」
収録ファイル | ・小説 pdf 51000字 スマホ版、PC版 ・挿絵2枚 ・表紙、挿絵の元画像 |
小説 | 小夜夏ロニ子 |
イラスト | 牛タン定食への恋 |
タイトルロゴ | カワノ(サークル:カワノ堂) |
推敲協力 | 月野ガラス |
「いきなりエロシーン版」搭載!
とにかく抜きたいとき、二回目以降あのシーンで抜きたいな、というときに便利な「エロシーンだけを抜粋した版」を同梱しています。
作品サンプル
サンプル文章
◆◆◆1話 無料公開中◆◆◆
完結済みの1話を無料公開しています。
(本作品はpixivに掲載していたものを全面改稿し、書き下ろしの続編を加えた作品です。)
目を覚ますと、そこは薄暗い部屋だった。
手足に違和感がある。
少し動かそうとして、なにかベルトのようなもので固定されているのだとわかった。
「おはよう。目は覚めたかな?」
女性の声だった。
視線を声の方にやると、近くの椅子に腰掛けていた女性の姿が目に入った。
綺麗な顔だった。セミロングの黒髪をアップにし、メガネをかけた彼女は、声の印象通り柔和な笑みを浮かべ、僕を見つめていた。品の良い白いブラウスに黒いスカート、その上からは白衣を羽織っていた。
「体調はどう? 寒かったりしない?」
優しく、安心させるような声音で話しかける彼女の言葉に、初めて自分が服を着ていないことに気づく。
慌てて彼女を見ると、彼女はくすくすと笑った。
「安心して。君が風邪をひくなんてことがないように、ちゃんと空調が効いてるから。え? そうじゃない? どうして服を着てないのかって?」
彼女はまたくすくすと笑い、「どうしてだと思う?」と言った。
「もしかして何にも覚えてないの?」
そう言われて、僕はここで目を覚ます直前の記憶を思い出す。
そうだ。僕はこの女性と会ったことがある。
確か、仕事帰りの夜道を歩いていて、道でたまたま会ったのだ。
人気の少ない路地だった。
なぜかその場に立ち止まっている彼女を不審に思いつつ、僕はそのまますれ違って彼女の横を通り過ぎようとした。
そうしたら、確か、嗅いだことのない甘い匂いがふわりと立ち昇って、そこからの記憶はない。
「思い出してくれた? そうだよ。私が君をここに連れてきたの」
どうやら僕は、この女性に誘拐されたらしい。
しかし、なぜ?
「君の疑問ももっともだね。自分には、見ず知らずの女性にさらわれるような理由がない。そう思ってるんでしょう? 違うよ。ちゃんと理由があるの。いいえ、価値がある」
彼女が組んでいた脚を、ゆっくりと組み替えた。
「私にはね、君が必要なの」
肌色のストッキングに覆われた長い足には程よく筋肉がついていて、しなやかな動きを思わず目で追ってしまう。
「正確には、君の体が」
ぞくりと、悪寒がした。
彼女の目がすぅっと細められ、薄明かりを受けて光る唇から赤い舌がのぞいた。ほんの少し彼女が唇を舐めた。僕はそれを目で追ってしまう。彼女の口の端がかすかに上がっていく。
「これから何をされるか、知りたい? それとも」
彼女の声音が妖しく、艶めいたものをはらむ。
「知らずにされたい?」
「警戒はしていると思うし、暴れられても困るから、もう少し状況を教えてあげるね」
目の前の白衣の女性は言った。
「君は健康な成人男性で、私の部屋で椅子に拘束されている。君が意識を失っている間にここに連れてきたのは私。拘束したのも私。目的は、ある実験に協力してもらうこと」
彼女は淡々と説明する。
「ああ、自己紹介がまだだったわね。朝霧 檀です。香りの研究をしている調香師よ」
調香師。そう言われると、白衣にも納得が入った。
「恋してるかどうかは匂いでわかる、というのが私の持論でね」
彼女は学校の先生のような口調で語り始めた。
「人間は無意識に、香りで自分と相手との相性を感じ取っているの。思春期の娘が父親の匂いをひどく臭く感じるのは、遺伝的に近い異性だから。そういう相手と子どもを作ってしまうと、潜性遺伝子が現れやすくなって、重篤な遺伝的疾患が顕在するリスクが増してしまうの。だから子づくりの相手として魅力的に映らないように、匂いでわかる仕組みが備わっている。よくできてるわよね」
僕には少し難しい話だったが、なんとなくわかった。
「要するに」
彼女は微笑んだ。
「いい匂いのする相手とは、体の相性がいいってことよ」
彼女が椅子から立ち上がった。
同時に甘い香りが立ち上る。
さらわれる直前に嗅いだ記憶のある、あの蠱惑的な香り。
「視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚…人間が外部刺激を感じる五感の中で、唯一“匂い”だけが、脳の大脳辺縁系に直接伝わるの。“感情を司る部分”にね」
彼女は机の上にある透明な小瓶を手に取った。
「人は遺伝的な相性を、無意識に匂いで判別し、好きか嫌いかを決めている。匂いだけが、脳の感情を司る部分を直接刺激する。つまり、遺伝的な相性と、匂いと、感情は、リンクしている。では、いい匂いだから好きになるのか? それとも、好きだから、いい匂いに感じるのか?」
手に持った小瓶を軽く振り、中の透明な液体を揺らしてみせる。
「感情と匂いのどちらが先なのか。私の仮説だと、匂いが先よ。“感情は匂いからつくられる”。私の研究課題はこれなの。“人が恋してしまう匂いはつくれるか”」
彼女が小瓶の蓋を開けると、彼女の発する甘い匂いがより濃くなった気がした。
「気づいたかしら。私が身につけているのは、この瓶の中に入っている香水の香り。私の研究成果よ。どう? 効いてきた?」
彼女は冗談めかしてクスクスと笑った。
「なんてね。残念だけど、そんなにすぐに効果は出ないわ。私から嗅いだ程度じゃあね」
彼女が小瓶を僕の前に差し出した。急な動きに避けることもできず、直接嗅いでしまう。
独特な香りだった。甘ったるいのに不思議と離れられない、濃厚な香り。まるで無垢な少女が妖艶に笑うさまを思いがけず見てしまった時のような、ダメだとわかっているのに目を離せない、蠱惑的な香りだった。
「今から君に付き合ってもらうのは、この香水の効果を試す実験よ。君はこの匂いを嗅ぐ。では、同じ匂いの私を好きになるだろうか? これが今回の実験内容。簡単でしょ?」
確かに簡単な話だ。しかし、同意も何もしていないし、そもそもなぜ全裸なのか。
「ああ、君を選んだ理由はね、一番私がなんとも思わない匂いをしていたからなの。相性がいいとも、悪いとも言えない。そんなニュートラルな状態から、私のつくった香りでどこまでできるのかを試したかったの」
彼女は微笑みを絶やさずに言った。
「安心して。君はじっくりとこの香りを嗅いで、私のことを好きになったかどうかを教えてくれるだけでいい。ある程度続けてサンプルが十分に取れたら終了よ。家にも帰してあげる。暴力行為はしないと約束する。どう? 実験に付き合ってもらえるかしら」
僕は迷いながらも、首を縦に振った。
そうするしかなかった。
彼女の柔らかい口調と好奇心旺盛な研究者という様子に悪意は感じられなかったが、見知らぬ相手に全裸で拘束されているという状況は、冷静に考えて十分異常で、危険な状況だ。下手に刺激するわけにもいかない。
しばらくは素直に言うことを聞いた方がいいだろう。
「ありがとう。うれしいわ。でもね、同意はちゃんと後から取ろうと思ってたのよ。順番が前後しちゃっただけで」
彼女は小瓶の横に置いてあった筆を手に取った。絵を描くときに使うような、美術の授業で見たような普通の筆だ。
「まあ、本当はどっちでもいいんだけど」
とぷり、と、筆が小瓶の中の香水に浸される。
「……きっとすぐに、この実験をやめないで欲しくなるから」
小さな声で言った彼女の最後の言葉は、うまく聞き取れなかった。
彼女が筆を持ち上げると、粘性のある液体がとろとろと筆の先端から伝い落ちていった。はちみつよりも少しさらさらしているくらいだろうか。
「じゃ、始めるわね。素直に答えて。私のこと、好き?」
唐突な彼女の質問に、首を横に振る。
「そう。それでいいわ」
彼女は香水のついた筆を僕の顔に近づけてきた。
匂いを嗅げということだろうか。
僕がおとなしく鼻を近づけようとすると、筆先はそれて僕の頬に当たった。
冷たい感触にびくりとする。
「これからこの香水を、徐々にあなたの体に塗っていくわ。塗った表面積が大きくなるほど、そこから気化する香りは強くなる。そういうテストよ」
なるほど。理屈は通っていた。僕は黙って頷く。
されるがままにしていると、筆先は頬をくるりと撫でた後、こめかみの方へ向かった。そのまま耳の後ろを通り過ぎ、首筋を降りていく。鎖骨を何度か撫で回され、くすぐったくて僕は身をよじった。
「なるべくリンパ腺の流れに沿って塗っていくわ。リンパ腺っていうのは、体内の老廃物を排泄する通路みたいなものなんだけどね。ここの動きを司っているのは副交感神経なの。副交感神経が活性化すると、リラックスすることができるわ」
彼女は筆先をゆっくりと動かしながら説明した。
「つまり、リンパの流れを良くすればリラックスできるってこと。アロマオイルエステみたいなものだと思ってくれて構わないわよ。君にはリラックスして香りを嗅いでもらいたいの」
実際、彼女の筆遣いは心地が良かった。くすぐったさもあるが、肌を撫でるとろとろとした感触は、悪い感触ではなかった。
彼女は再び小瓶に筆先を浸し、首筋からなぞり直した。
胸の横を通り、肋骨を通って脇腹へ。
脇腹を軽く往復し、僕がくすぐったさに思わず声をあげると、彼女も小さく笑った。
「くすぐったい? 我慢してね。どうかな、匂いが強くなってきたと思わない?」
彼女の言う通りだった。甘い匂いは先ほどよりも断然強くなり、いつの間にか呼吸が深くなっていることに気づく。
「私のこと、好きになってきた?」
僕は首を横に振った。
確かにいい香りだとは思うし、目の前の檀さんは正直いって好みの見た目だが、好きかと言われると、そこまでではない。特に感情に変化は感じなかった。
「うん。それでいい。続けるわね」
彼女の筆先が腰骨の出っ張りをなぞり、そのままゆっくりと鼠蹊部に降りてきた。
股間に近い際どい位置の感触に、ぴくりとしてしまう。
今さらながら、全裸なのがひどく気になってきた。
股間も丸出しなわけで、僕は太ももをよじらせてなんとか隠そうとするが、丸見えなのは大して変わらなかった。
彼女はまったく気にしていないのか、股間には目もくれず、太ももへと筆を進める。
僕の前にしゃがみ込むと、筆先を見つめながら膝の横をなぞった。
ふくらはぎを通り、ゆっくりと足首を回って、今度は足の内側をゆっくりと這い上る。
筆先から目が離せないのは僕も同じだった。
甘い香りは徐々に強くなってきていた。
肌を這うぬらついた筆先の感触が、さっきよりもはっきりとわかる。
身体が敏感になっている気がした。
内ももまで上がってきた筆先が、再び足の付け根、鼠蹊部をなぞり上げる。
思わず股間がぴくりと反応してしまった。
彼女は一瞬だけ筆先を止めると、僕の顔を見上げた。
少しの間、沈黙する。
感触に反応してしまった。興奮を咎められているのだろうか。
彼女は真面目に実験をしているだけなのに。
どんどん自分が悪いような気がしてきて、僕が小さな声で謝ろうとする前に、彼女は視線を外し、再び筆先を動かすのに集中し始めた。
筆先はさっきよりもずっと長く鼠蹊部に滞在し、僕は耐えきれず身をよじる。
もどかしいその感触がなんなのか、もうごまかしようがないほどに、はっきりとわかってきていた。
快感だ。
彼女に触れられたところが、熱く、敏感になっていくのがわかる。
熱は徐々に股間に集まり始め、ダメだとわかっているのに、僕はもう、完全に勃起していた。
彼女の手が止まり、勃起したペニスにはっきりと視線をやった。
「……やっぱりこうなったね」
彼女はくすりと笑った。
「何を期待してるの?」
向けられる視線に、僕は恥ずかしさから顔をそらした。
確かにその通りだ。
僕はこの異常なシチュエーションに、性的な快感を与えてもらえるのではないかと、期待している。
彼女の筆がふたたび脇腹を登り、胸板をなぞった。
筆は中心に向かい、ゆっくりと回りながらその半径を一点に向けて縮めていく。
その筆がついに乳輪をなぞり始め、僕は思わず身を跳ねさせた。
「へえ。君、男の子なのに。ここも気持ちいいの?」
からかうように彼女は言った。
筆が焦らすように乳輪の周りをくるくるとなぞり、僕は身をよじって悶えるしかなかった。
甘い匂いがどんどん強くなってきていた。
触って欲しい。
乳首に触って欲しい。
僕の頭の中が、ただ快感を求めて、徐々に狂っていく。
「ねえ。なんで男の子にも乳首があると思う? 授乳ができない男の身体には、そもそも不要な器官のはずなのに」
筆先が、するりと乳首を通った。
彼女の問いかけに答えるかのように、僕は身体を大きく跳ねさせた。
「それはね」
筆先がピン、と軽く乳首を弾く。
僕は上半身を跳ねさせながら、思わず声を上げていた。
「“気持ちよくなるため”だよ♡」
とろりとした粘液をまとった筆先が乳首をなめらかになぞり、くりくりといじり回す。
筆先が乳首を通るたび、今まで知らなかった種類の快感が脳で弾けた。面白いほど簡単に体を跳ねさせてしまう僕に、檀さんの唇の端が徐々に歪んでいくのが見える。
乳首がこんなに気持ちいいとは思わなかった。普段自分で触っても、こんなに感じたことはない。
檀さんは心なしか最初よりも楽しそうな様子で、細い筆を操っていた。
散々なぶられた後、筆はツツ、と反対の胸へと移動した。
今度はまったく焦らせることなく、まっすぐに反対の乳首を弾かれる。
無防備で刺激に慣れていない方の乳首をそのまま責められ、僕はびくびくと身体を震わせながら、必死に唇を噛んで声をこらえることしかできなかった。
「あら。声、我慢してるの?」
僕の様子を見た檀さんは、少し黙った後、筆先を反対の乳首へと滑らせた。
油断していたところに刺激を与えられ、こらえきれず僕は喘いでしまう。
「あは♡ 素直でよろしい♡」
檀さんは明らかに楽しそうにしていた。
「じゃあ、質問の時間だよ。私のこと、好きになったかな?」
檀さんの与える快感に翻弄され、すでに僕は正常な判断ができなくなりつつあったが、なんとか首を横に振った。
確かに気持ちのいいことをされているが、恋愛感情として好きかといえば、そういう気持ちはまだない。
「ふうん。この量だとまだまだみたいだね。うんうん、いいデータが取れてるよ」
予想通りの答えだったのか、彼女は一人頷いて、立ち上がった。
「じゃ、増やしていくね」
机の上から彼女が手に取ったのは、もう一本の筆だった。
ゆっくりと、もう一本の筆が小瓶の液体に浸かる。
顔の前に筆を近づけられ、たっぷりと絡んだ粘液が筆先から滴り落ちるところを見せつけられる。
「ほら。いい香りでしょう。この香り自体は、好きかな?」
僕は素直に頷いた。独特の甘ったるさにもすっかり慣れ、香り自体は割といい香りだと思っていたからだ。
「うん。そうだよね。もっと塗ってあげるからね」
そういって檀さんは、二本の筆でふたたび僕の胸板をなぞりはじめた。
乳輪の周りを念入りに焦らされ、僕は悶えることしかできなかった。
ほんのついさっきまで、乳首での快感を意識したことなんてほとんどなかったはずだった。それがいつしか、乳首の快感のみを求めてしまっていることに気づかされる。それほどに彼女の焦らしは巧みだった。
「どう? 二本でたっぷり塗られると、さっきよりもずっと濃くていい香りでしょう。え? そうだけど、違う? どこか触って欲しいの? 私は香水を塗っているだけだよ。もっといい香りがするように、広い範囲に、たっぷりと。なのに、これは何?」
彼女は股間で屹立するペニスに視線をやり、くすくすと笑った。
「なんてね。意地悪してごめんね。それとも」
黒縁メガネの奥からのぞく檀さんの目に、釘付けになる。
「もっと意地悪されたかった?」
艶やかに濡れたように光る黒眼は、僕の醜態をあざ笑うかのように、それでいてどこか慈しむかのように、笑っていた。
「はい、お待ちかね♡」
二本の筆先が、両方の乳首を一斉になぞり上げた。
口から勝手に、大きな喘ぎ声が漏れた。
「あはは! 気持ちよかった? 安心して。まだまだたくさん塗ってあげるから」
言葉通り、彼女は両側の乳首を楽しげにいじくり回しながら、粘液を塗りたくった。
乳輪を円を描くようになぞられ、焦らされたかと思ったら、毛筆の先端の細い部分で乳首をくすぐられる。
両方の乳首を同時に刺激され、僕はとっくに声を抑えられなくなっていた。
散々あえがされ、悶えさせられた後、筆先は胸元を離れ、徐々に降り始めた。
太ももの付け根、鼠蹊部をくりくりとなぞられると、完全に勃起しきったペニスがびくびくと震えてしまう。
すると、筆が一旦身体を離れた。
荒くなった息を整えながら、僕が檀さんの顔を見ると、彼女も僕を見ていた。
彼女がにこりと笑う。
最初は知的で美しい大人の女性というイメージだったが、笑った顔はどこか、無邪気な少女のようだった。
美人というよりも、可憐な、という言葉が似合うような、そんな笑顔に、これまでの淫技とのギャップでどきりとしてしまう。
もしかしたら本当に、香水の効果で好きになってきているのかもしれない。
「どう? 私のこと、好きになってきた?」
見透かされたかのようなタイミングに、一瞬動揺してしまう。
いまだ首を横に振る僕の反応は、彼女の予想通りだったのか。
「うんうん。いい感じだよ。“まだ好きじゃない”、そうだよね」
僕が曖昧に笑い返すと、不意にペニスに衝撃が走り、僕は椅子の上で飛び跳ねた。
筆先でペニスがなぞり上げられたのだ。
「実験第二段階、スタート♡」
彼女がすっと目を細めると、その目つきが、少女のような無邪気な笑顔を、どうしようもなく淫らなものに変えていた。
作品詳細
作品のあらましや作中の占める割合が高いジャンルをピックアップしてご紹介します。ネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
拉致・監禁され実験の被験体に
調香師のお姉さんに監禁・拘束され(監禁・檻)、あやしい実験の被験体にされてしまうお話です。
作者情報
作者:小夜夏ロニ子
イラストレーター情報
作者:牛タン定食への恋
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