作品情報
作品タイトル | ダウナーで湿度高めの裏垢お姉さんにいじめて頂くお話 |
作者 | すぴもん |
発売日 | 2024年6月9日 |
文字数 | 約48,000字 |
ページ数 | 106 |
販売情報
近所のゴミ屋敷――そこにはニッチな動画で生計を立てる裏垢のお姉さんが住んでいる。
コンビニ帰りの彼女とたまたま出会った主人公もフォロワーの一人。彼は一回十万円という約束のもと、直に唾調教をしてもらえることとなっていた。
気だるげで、だけどドSな彼女から甘辛くイジメられる日々。次第にエスカレートする責めと開花していくしっとりとした独占欲。
彼は憧れのお姉さんに逆らうことが出来なくなっていく――
サンプル文章
「はぁ……またいじめられに来たの? 物好きだよねぇ、キミ」
「す、すみませんっ……」
「はは……謝らなくていいのに。ちゃんとお金もってきたんでしょ?」
「は、はいっ!」
「ならいいよ。上がって」
畳の上にカップ麺の容器や使用済みの割り箸、脱ぎ捨てられた服……パンツまでが転がっているゴミ屋敷で部屋の主に十万円を差し出した。
くたくたの洋服に身を包んだ彼女はそれを受け取り額を数える。
……ミオさん……今日もカワイイ……っ。
彼女は近所の、ぱっとみから明らかなゴミ屋敷で独りひっそりと暮らしている。
その素性はあまりわからない。
年齢は二十代前半……ほとんど家から出ない極度のインドアらしい。
あとは喫煙、唾吐き、挙句トイレに至るまでニッチな動画をネットで販売してその収益だけで生活しているとも言っていた。
ドMで臭いフェチの僕はフォロワーの一人。
本当に偶然、たまたまコンビニ帰りの彼女を見かけてそれが憧れの人だと気がついた。そのあと警察を呼ばれることだって覚悟の上で話しかけ、直に調教をお願いする関係になったのだ。
「ん……ちゃんとあるね。それにしても毎月こんなにどうやって稼いでるの? キミ、高校生でしょ」
「死ぬ気でバイトしてます!」
「ふーん……まぁどうでもいっか。それで、今日は何して欲しいの?」
「えっと……その……唾でいじめてほしくて……」
「あはは、それ好きだねー。いいよ、おいで」
ミオさんは布団に座り込んだまま、脚を使って雑にゴミを払い除ける。そのしなやかな太ももと脛のおかげで、彼女の前に僕が座れるくらいのスペースが作り出された。
すぐにそこへ腰掛ける。ここに来るのは三回目だと言うのに、心臓はどくどくと破裂しそうなほど拍動していた。
「今日も歯磨いてないけどいい?」
「もっ、もちろんですっ!」
「はは……ほんとに変態だね」
――ぺっ!
――びちゃあ!
ミオさんの唇から白く泡だった唾がぺっと吐き出される。それは放物線を描かずに真っ直ぐ僕の頬へとへばりついた。彼女の唾液はさらさらしていない。水飴のような粘度の唾が皮膚を流れ伝う。
……す、すごっ……生臭いっ……!
そして尋常じゃないほどの唾液臭。
部屋を見れば想像できるけど、乱れた食生活と怠惰な歯磨きの頻度によってミオさんの口腔はとんでもないことになっている。たった一度の唾吐きでむせ返るような生臭さが僕の顔を覆い尽くしていた。
「ありがとうございますっ……!」
「うわきも。よかったね、私に唾吐いてもらえて」
「嬉しすぎます……っ」
「ほらこっち向きな〜」
――ぺっ! ぶっ! ぺぇッ!!
――びちゃ……びちゃり……っ……べちゃあ!
ねばねばの唾が顔中を覆っていく。
ツンとした臭いはますます強まる。僕の顔は襲われたヌタウナギみたいにどろどろになっていた。
「ミオさん……っ」
「それさぁ、臭くないの? それとも臭いのがいいの? フォロワー代表として教えてよ」
「臭いのが最高ですっ。い、いや、ミオさんのはいいにおいなんですけど……」
「気使わなくていいって。口開けてー」
言われた通り僕は口を開く。
――くちゅくちゅ……ぶっ!
そこへ吐き出される唾。
今回のそれは口の中で丹念に泡立てられていた。彼女の口腔を余さず洗浄した汚水が僕の口へ注ぎ込まれる。
本来無味無臭の唾液は甘酸っぱい味がした――なんてことはなく、多分昼に食べたであろうカップ麺とほのかなヤニの味が舌の上に広がっていく。
「おいしい?」
「美味しいですっ……!」
「へぇ、じゃあこれもあげる」
――かぁ〜っ……! ぺっ!
――べぢゃあ!
ヤンキーのように下品な音を鳴らしてミオさんは僕に痰を吐き捨てる。口への狙いが僅かに外れたそれはびっちょりと鼻下へこびりついた。
喉奥の強烈な悪臭が鼻腔に突き刺さる。
……ミオさんの痰……っ! 初めて頂けたっ……!
つい堪えきれず指でそれを摘み、口へ運ぶ。
ねばっこい、ぶよぶよとした舌触りと鼻水のような塩味が口に広がっていく。本来なら忌避すべきそれも、彼女の舌の根で作られたものだと思うとたまらなく愛おしかった。
「ほんとすごいね……キミみたいなのが涼しい顔して社会で生活してるなんて怖すぎるよ」
「ごめんなさいっ……」
「謝るならもっと本気で謝んなよ、クソマゾくん」
トントンと、ミオさんはダルそうに僕の頭を人差し指で叩く。慌てて埃っぽい畳の上で土下座した。
「そーそ。キミみたいなのは生まれてきたことを謝罪して」
「生まれてきてしまい申し訳ありませんでした……!」
「あはは、こんなこと言わされて泣きそう?」
「む、むしろ気持ちいいです……っ。変態でごめんなさい……」
「どうすればキミは傷つくんだろうねぇ。ま、しばらくそうしてなよ」
土下座する僕を尻目にミオさんはスマホをいじり始めてしまった。画面からはおどろおどろしい音楽と俳優の悲鳴。ホラー映画か何かをみているのだろうか。
か、構って欲しい。
僕はいつまでこうしてれば……
「あ、あのっ……ミオさんっ……」
「ん? どうしたの?」
「構って頂けないでしょうかっ」
「んー、やだ。今日映画観たい気分なんだよね。キミは土下座してて」
「……はいっ」
全く相手にしてもらえない。
唯一感じるのは既に乾いた唾液の臭いとスマホから流れる映画の音声。それ以外には何もなかった。
――二時間後。
長く続いた映画もようやく完結したみたいだ。
主役を張っていた俳優の叫び声と、同時に始まるエンディングらしい主題歌。
日は暮れかけて、茜色の西陽が一日中閉められたカーテンの隙間から部屋に降り注いでいた。外ではカラスが鳴き、放課後を遊び尽くした子供たちの楽しそうな喧騒が往来を埋め尽くしている。
そして、かなり長いこと土下座していた僕の手足は痺れて感覚が薄くなっていた。
「いや〜あんまり面白くなかった。駄作かな」
「そうでしたか……」
「あれ、キミまだ居たんだ。もう遅いし帰ったら?」
「そ、そんなっ!」
「文句でもあるの?」
正直、全然満足していない。
あれだけお金出したのに……こんな仕打ち……
「い、いえっ。今日はありがとうございましたっ!」
でも彼女の期限を損ねて二度と会ってもらえない方が遥かに辛い。僕は上げた顔をもう一度下げて謝罪し、家に帰るために立ち上がる。
ビリビリと痺れる足が痛い。
「あはは、ほんと従順だね。うそうそ、高校生に十万も払わせたんだから流石にもうちょっとだけ遊んであげる」
「……! ありがとうございますっ!」
よいしょと気だるげな、だけど可愛らしい声をあげてミオさんは立ち上がる。小柄な彼女はゆっくりと僕に近づいた。
「いだッ……!」
そして、痺れてジンジンと痛む両足へ乗り上げる。
彼女は踵で僕のつま先を踏みつけながら抱きついてきた。憧れの人からの抱擁と、過敏になった足先をぐりぐりと踏み躙られる痛み。両者は混ざって一つの快楽になる。
「ほら、私がコケたら大変だからちゃんと腰支えてくれないかな」
「は、はいっ……!」
両足の上に彼女の少し湿った両足が重なっている。
それだけでもマゾな僕はドキドキしてたまらないのに、しなやかな腰へ手を回したことでその熱はさらに高まる。
ミオさん……多分お風呂入ってないのになんでこんなにいい匂いするんだろ……
「ちょっと、嗅がないでよ……」
「ごめんなさいっ!」
「まあいいけどさ。私のフォロワーに期待とかしてないし」
「すみません……」
「はーい終わり。私に踏んでもらえてよかったねー」
「ぁ……」
五分ほどそうしていると、ミオさんはプレイの終了を宣言する。
……な、生殺しすぎる……
贅沢なことを言っている自覚はあるけど、あまりにも中途半端な行為の数々。前回まではもう少し激しくいじめてもらえていた。
嫌われちゃったのかな……
「物足りなくても今日は遅いからおしまい。次回分は無料にしてあげるから気が向いたらまた来なよ」
「いいんですか!?」
「うん、今日の私は流石に酷かったもんね。次はしっかり壊してあげるから安心して」
「ミオさん……」
「なに?」
「す、好きです……っ」
思わず声が漏れる。
僕は本当に何をしているんだろうか。
この冷めた瞳で「壊してあげる」なんて言われて理性が弾け飛んでしまったのかもしれない。
「はいはい。ガチ恋とかは怖いしきもいからやめて?」
「ご、ごめんなさい……急に変なこと言っちゃって」
「私がキミに恋愛感情を持つことなんて絶対ないから。ファンとしての距離感はきっちり守ってね」
「迷惑行為はしませんので安心してくださいっ!」
「どうだかなぁ……まぁいいや、帰る前に手出して」
「……?」
――つ〜ッ……ぺっ!
言われた通り差し出した手のひらに、ミオさんは垂らした唾をぺっと吐き捨てる。小さな窪みに溜まった生温かい粘液はぬらぬらと外の光を反射している。
「それあげる。帰ったら自由に使っていいよ」
「あっ……ありがとうございますっ!」
「どういたしまして。じゃあバイバイ、成人したらサンプル以外の動画も買ってね」
「もちろんですっ! ありがとうございましたっ!」
めんどくさがりなミオさんは玄関まで見送りに来てはくれない。それどころか、彼女の部屋を出る頃には既に布団の中へ潜り込んでしまっていた。
そんな怠惰なところと、冷めて意地悪な性格が合わさって醸し出されるミステリアスな雰囲気が心を掴んで離さない。
はやくこれで……シたい……っ!
手の中のぬるぬるとした感触に思考の全てを奪われる。
僕は家を出た後、大慌てで自宅を目指した。
作品詳細
作品のあらましや作中の占める割合が高いジャンルをピックアップしてご紹介します。ネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
唾責め
ゴミ屋敷に住んでいるダウナーなお姉さんから唾責め(唾吐き・唾飲み)を受ける作品です。
- ペットボトルに溜めた唾液を飲まされる
- 灰皿扱いや痰壺扱いされる
などのフェチ要素あり。
作者情報
作者:すぴもん
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